Capital Mortgage Guarantee Co.,Ltd.

Q& A

  1. BIS基準上の信用保証会社は。
  2. これまでの信用保証会社の不良債権の原因は。
  3. 今信用保証会社に必要なのは。
  4. これまでのリコースローンの問題点は。
  5. ノンリコースローン料率や回収率の安全度をみると当然料率は高くなり競争力は落ちませんか。
  6. 地価の下落はまだ続きますか。
  7. ノンリコースローンの技術的問題は。
  8. 最近、信用保証料を割り引いたりゼロにしたりする動きがありますが。
  9. 住宅ローンの借り入れに対し、担保を入れているのにもかかわらず保証料を払うというのは保証の2重払いになると思いますが。
  10. 今の若いひとは失業からくるローン破綻を恐れ住宅の新規取得に二の足を踏んでいますが。
  11. 民事再生法ができましたが。
  12. 保証の仕組みを知らないまま、契約してしまうことが多いようですが。
Q:BIS基準上の信用保証会社は。
A:

現在(2003年)BISのバーゼル委員会で細部の見直しをしていますが、その中心はリスクの計測方法の改善です。信用評価機関が付している 格付けを参照して、リスクウエイトを細分化することになっています。また、信用リスクの削減について「銀行が信用リスクを健全かつ有効な方法で 管理するインセンティブを強めること」とし、子会社の甘い保証は許されなくなります。信用リスクが担保によって真に削減されているか、 保証によって信用リスクが第三者に実効的に移転されているかといった点に大きな懸念を持っています。 (2001年9月21日バーゼル銀行監督委員会、「自己資本に関する新しいバーゼル合意」に係る作業の近況報告第2号)

一方金融庁の検査マニュアルでは従来(大蔵省の)優良保証の定義として「公的信用保証機関、金融機関、金融機関が設立した信用保証会社」となって いましたが、新しい検査マニュアルでは優良保証から「金融機関が設立した信用保証会社」は削除されました。また、金融庁事務ガイドラインでは、 子会社が保証する場合「銀行が信用保証を必要とする債務者に対し、自行が子会社として設立した保証会社の保証を強制すること等の行為を行っていないか留意する こと。」としています。(2003年)

Q:これまでの信用保証会社の不良債権の原因は。
A:

バブル破綻の影響と長引く不景気が要因です。

今回のバブル崩壊(1990年代)で地価は一時 年10%以上の下落を見ました。このため、今まであり得なかった現象が出てきました。 買った不動産の地価がローンの債務残高を下回るということです。こういう状態でローンの支払が出来なくなりますと、その不動産は債権者たる銀行ないしは 信用保証会社によって転売される上に債務残高を下回った部分つまり顕在化した含み損も債務者が負担しなければなりません(これをリコースローンと いいます)。しかし、ローンを払えないものがどうして含み損を負担できますか。これらが不良債権となり信用保証会社の多くが財政危機を迎えたのです。 含み損の発生は貸付利率と地価下落率によって大きく変化します。貸付利率が8%をこえるバブル前のローンでは含み損の影響がきわめて大きいのです。 更に悪いことには高金利ローンを低金利ローンに借り替えることにより含み損の発生する期間は更に延びそれだけ長期にわたり経営を圧迫します。 しかし、新規の貸付利率が3%程度になると初期の返済元本の割合が大きいために含み損の影響が相当軽減されます。

Q:今信用保証会社に必要なのは。
A:

ノンリコースローン保証です。マイホームを建てるには金利は安い、土地は下がった、贈与税も下がって頭金がつくりやすい等々 絶好の機会であるはずなのに、販売が伸びないのは土地はまだ下がるという心配もあります。

土地が下がって心配なのはあのローン地獄です。いざというときに担保割れ分の追求が来たらどうするか、ローンを組むのに二の足を踏みます。 そこで、ノンリコースローンが登場する意味があるのです。

アメリカでは金利が8%台から6%台へ僅か1%少し下がっただけで低金利といってマイホームブームがおきました。それは、ノンリコースローン だからです。

Q:これまでのリコースローンの問題点は。
A:

もともと住宅ローンにおいては消費者は当然ノンリコースローンを頭に描いているのが通常です。まさか、自分が失業して 家を取られた上に土地の含み損まで支払わされるとは夢にも思っていないでしょう。バブル前の「地価は上昇する」という時代にはそんな心配は 無関係でしたが、これからの時代は当然こうしたリスクを織り込む必要があります。

ノンリコースローンは利率、返済期間、自己資金割合、建物品質特に耐震性、耐火性および立地環境を考慮して実施し、それらの条件に よってそれぞれ保証料が異なります(理論的には)。

Q:ノンリコースローン料率や回収率の安全度をみると当然料率は高くなり 競争力は落ちませんか。
A:

今のリコースローンを基準に考えますと、当然料率は上がります。しかし、高くても万が一のときに心配ないローンか、そんな 心配はしないか。それはお客様の選択です。いまはその選択ができないことが問題なのです。

Q:地価の下落はまだ続きますか。
A:

地価下落の要因としては以下の通りです。

  1. 少子化:住宅需要の減少
  2. 不良債権処理:担保評価割れでの不動産処分
  3. 企業、生産拠点の海外移転:工場跡地の供給増加
  4. 公共事業の縮小と財政難:自治体の土地の放出
  5. 企業の時価会計原則導入:土地の収益性の評価による放出
  6. 土地の相続評価の変化:物納の増加
  7. 生産緑地法の改定と食糧輸入の増加:農地の宅地化の増加
  8. IT技術の向上:コンピュータスペースの減少

等々です。

Q:ノンリコースローンの技術的問題は。
A:

米国等では普通に行われているシステムですが、永年日本では貸し手側に「担保を取るんだからとりっぱぐれはない」という 不動産担保に対する安易な取組みがあったと思います。しかし、ノンリコースローンは貸し手側に担保力にたいする評価責任と損失負担責任が生じてきますから、 これまでにない不動産に対する適正評価が必要になってきます。これをデューデリジェンスといいます。

このようにノンリコースローンは土地の適正評価、住宅品質の適正評価、そして借り手の返済能力の評価によって料率が変化します。これまで以上に 評価に対する専門性が要求されます。そこには住宅、不動産の査定専門会社の関与も必要となります。

これらの評価のもとに料率を算出しますが、これまでのような各社横並びの料率というわけにいきません。

Q:最近、信用保証料を割り引いたりゼロにしたりする動きがありますが。
A:

いくつかの銀行では保証料を無料にしています。また、別の金融機関では保証料の一括払いを止め、年0.2から0.3%の 分割払いに換えています。0.3%はこれまでの一括払いの2倍から3倍の料率になります。このように今、保証料はいろいろ動きがあります。 年金住宅福祉協会などあまりの経営悪化に耐えられず既に料率を上げています。いずれ他の機関も追随することになるでしょうが、少々の値上げでは全く 焼け石に水でしょう。

ところで、保証料を無料にするということが可能でしょうか。理屈からいえば担保を取って掛け目をつけて貸しているのですから その上に保証料を取るというのはおかしな話です。しかし、地価下落の中では、担保割れ部分の保証料は確保しなくてはなりません。 保証料無料はまさに時代に逆行するものといえましょう。保証料無料の外資系のある銀行は住宅ローンから撤退しましたが、低金利のうえに保証料無料では 採算が合わないことにも気が付いたと思われます。アメリカの場合低金利になったといって住宅ブームになったのは金利6%台です。現在サブプライムローン の影響で更に低金利化していますが、貸出金利の高いときには利鞘の中から保証料を捻出できました。しかし、今のように低金利の時代、 銀行の利鞘が極めて厳しい現状では保証料の捻出は困難です。

Q:住宅ローンの借り入れに対し、担保を入れているのにもかかわらず保証料 を払うというのは保証料の2重払いになると思いますが。
A:

全くそのとおりです。実は本来保証料というものは担保を取っている以上貸し手にとって不要なものです。担保割れしても不足分を借り手 から取り立てるのですから保証の必要はないわけです。しかし、実際には取り立て不能、回収不能の部分が発生するために銀行に対して保証の意味 があるのです。ですから、今の保証制度は銀行のための保証であって、借り手、ユーザーのための保証ではないのです。ノンリコースローン は借り手を保護する借り手のための保証です。もちろん銀行のためでもあります。

Q:今の若いひとは失業からくるローン破綻を恐れ住宅の新規取得に二の足を 踏んでいますが。
A:

ローン地獄などのマスコミの記事を見れば当然でしょう。米国等のように失業したら家を明渡すだけでいい、復職したらまたローンを組む。 これができれば二の足を踏むことはなくなります。つまりはノンリコースローンにすればです。今のようなかつてない低金利時代に住宅ローンを利用しない手は 無いはずです。(2003年)

Q:民事再生法ができましたが。
A:

平成11年に民事再生法が施行されました。この法で個人の住宅ローンの破綻についての救済措置がとられるようになりました。これに より、支払いが滞った後、代位弁済の日から6ヶ月以内に債務者からの申請で概ねリスケジューリング(返済方法の変更)を受けられるようになり ました。

Q:保証の仕組みを知らないまま、契約してしまうことが多いようですが。
A:

消費者がローンの仕組みを良く知らないままローン地獄に陥ってしまうケースがあります。デフォルトの精算で不足分を消費者である契約者 が支払わなければならないことは契約書に謳ってはありますが、殆どの契約者はこのことを知りません。これまで保証会社は契約者との接触の機会がなく、 代わって金融機関が保証の仕組みを説明しているかというとそれもあまり徹底されていないようです。説明しますと契約者は当然ローン地獄を思い描くで しょうからローンの組成自体に二の足を踏むことになるでしょう。当然金融機関は説明に苦慮するところかもしれません。
消費者が充分いまの制度を 理解していないために、思いもよらない経済的精神的重圧ならびに危機に直面することがあるということです。この点、平成12年にできた法律「消費者契約法」 の立法趣旨から問題があるといえます。この法の「事業者と消費者との認識のギャップ、つまり事業者が説明責任を充分果たさないために消費者に不利益を与える ことがあってはならない。」という趣旨からいえば、現行のリコースローンとノンリコースローンを消費者に選択させることでこの問題は解決されましょう。